恐怖が人を裏切らせる。

【ストーリー】
ある日、招待状と現金1億円が届く。それが「ライアーゲーム」への参加資格だ。「ライアーゲーム」は受け取った1億円を元手に騙し合いを繰り広げ、マネーを奪い合うゲーム。そのファイナルステージから2年が経ち、すべてが終わったかに見えたが新たな主催者によってライアーゲームが復活を遂げた。ライアーゲーム事務局は前回優勝者の元天才詐欺師・秋山深一に復讐するのが目的だ。今回のゲームは、総額20億円を賭けて20名のプレイヤーが争う究極の「イス取りゲーム」だった。秋山の大学の教え子である篠宮優を救うために秋山はゲームに挑むことになる。


騙し合いの応酬。この手の映画の見所は騙し合いだ。ある程度ハッピーエンドが想像できるため、その結末までにどれほど観客も騙せるかにかかっている。ましてこの映画には「ライアー(嘘つき)」と付いているくらいだから巧妙な騙し合いを期待してしまう。

結論を言えば、この映画の騙し合いは魅力的だ。面白い。原作であるマンガを未読のためどこまで映画用に脚本が書かれているかは分からないが実に良く出来ている。

今回の映画ではヒロインが変更されいる。前作まで主役の秋山と行動している神崎直から新たに篠宮優となっているのだ。ここがポイントだ。テレビドラマシリーズの頃から秋山は神崎直を助けて信頼関係を結んでいる。そのため前作の映画では神崎直との協力で見事優勝している。

だが今回の篠宮優は秋山とはあまり面識がない状況だ。信頼関係は築けていない。そのためこの篠宮優が秋山の思惑とは別に展開を引っ掻き回す役になっている。

ここが実に面白いのだ。ヒロインが掻き回す展開は観ているこちらが歯痒く、イラつく程である。そして味方に追い詰められた秋山がどの様な起死回生の一手でこのゲームを勝つのかを否応なしに期待してしまう。

めまぐるしいストーリー展開で物語がどの様に決着が着くのか。ライアーゲーム参加者の次の手は何かとこちらも一手先を考えながら観ると実に面白い映画だ。

秋山の起死回生の一手にあなたは気付くだろうか?